今年度も12月中旬に富山県立大学から講師の先生方をお招きし、サテライトキャンパス(講義)が実施されました。12/11(水)には看護学部の1講座が、20(金)には工学部等の4講座が各教室で行われ、両日を通じて1~3学年の希望者168名が各自の選択した講義を受講しました。
以下に、各講座と講師名、主な内容と生徒の感想を掲載します。
12月11日(水) 5限
①「手術を受ける方やご家族が安心して安全に臨める看護」桒子嘉美教授(看護学部)
患者の中には、良好な状態への期待、希望を持つ人もいるが、多くの人は、成功するかどうかや、どのくらいで回復するかなど、さまざまな面で不安や心配をもっていると分かった。その不安や心配を解消するために、また手術を安全でより確かなものにするために、患者と看護をする側の信頼関係が必要であると分かった。また、入院までに患者さんが安心できるように、看護をする側は、手術の内容やサポート体制の説明、スケジュールの確認など、患者が主体的に治療に取り組める支援をする必要があると分かった。そして、医療者同士でも必要なことを正確に伝えるような、チーム医療の体制を作ることが大切であると思った。
12月20日(金) 4限
②「大きな地震から建物や構造物を守る!」岡村茂樹准教授(工学部機械システム工学科)
日本は地震が非常に多い国であるため、建築や設計の重要度がより一層増していることを改めて知ることができました。いくら山に囲まれ、地震が少ない富山県でも、半世紀に一度は震度5並みの地震と直面すると知り、日本にいる限り安全ということはないなと思いました。しかし、そこを改善するために、耐震、免震、制振と、今回教えていただいた技術等が活かされているのだと知り、その発想力に驚き、自分も世の役に立つ発想をしてみたいと心に火が点きました。もっと身の周りのことに注目しながら人生を歩んでいくと、未知の領域を知ることができて楽しいだろうなと思いました。
③「人工知能とは何か」榊原一紀准教授(工学部電子・情報工学科)
人工知能は自分で学習することができるといっても、指令や知識を与えて誉めるという行動をしなければ発達できないということを初めて知り、その事実にとても驚きました。また、基礎となる知識には私たちが学んでいる数学の微分、積分が使われているということを知り、学習に対する意欲が湧くと同時に、人工知能の分野を少し身近に感じることができました。囲碁では人はAIに勝てないという事実は知っていても、まさかAI同士で囲碁を学習することができる程だとは思いませんでした。将来目指したいと思っている学部だったので、有意義な経験になりました。
④「水素エネルギーと最新電池技術」脇坂暢教授(工学部環境・社会基盤工学科)
電波や電池の仕組みを通して、科学やそれを支える社会、またその社会的背景について学ぶことができた。これまでも化学、物理などのさまざまな科目で電気や電池について学んできたが、これまでの復習ができたし、今日新たに知ることも多かった。また、電池の開発は、地球温暖化の原因である温室効果ガスの一つの二酸化炭素の削減に配慮したものになっていて、日本の科学技術はすごいなと改めて思った。一方で、資源や使われる燃料が地球環境を汚す原因となってしまうなど、まだまだ複雑な問題があるのだなと感じた。水素の工業的な作り方は、まだ石油の精製によるもので、その時に二酸化炭素を排出していたり、特殊な鉱物を使うものでは、それを取り出すときにエネルギーが多く必要であったりと課題が多いと感じた。
⑤「心理学への招待」井戸啓介講師(工学部教養教育センター)
以前から、心理学に興味があり、オープンキャンパスに行ったり、インターネットで調べたりしていたが、今まで知らなかったことが講義を通してたくさん学べた。心理学は工学と深い関わりがあることを知って驚いた。発達心理学や教育心理学は知っていたが、産業心理学やマーケティングなど色々な分野に関わっていることを知り、身近なところにたくさん心理学が潜んでいるのだと思った。心理学を学んで、カウンセラーの職に就くだけでなく、公務員の心理専門職や精神保健福祉士、研究者など、様々な職に就けることが分かった。